【初心者向け】仮想通貨(暗号資産)のトレードにおいて大事なことについて解説!
仮想通貨(暗号資産)で短期トレード(以下「トレード」)を始める前に、絶対に抑えておきたいポイントについて解説しますので、これから仮想通貨トレードをしようと思っている方は参考にしてみてください。
トレードにおいて大事なこと
トレードにおいて大事なことは以下の二つです。
- メンタルコントロール
- エントリーポイントを決める
ものすごい基本的なことではありますが、これがトレードの全てと言ってもいいくらい大事なことなので、しっかり頭に入れておきましょう。
1:メンタルコントロール
トレードにおいて知識や分析力など必要な能力はありますが、何よりメンタルコントロールが大事です。
トレードほど「頭ではわかっていても実行するのが難しいことはない」といっても過言ではありません。
特に大金がかかっている時ほどその傾向は顕著になります。
そもそも、人間が自然な感情に従って売買すると確実に損をするような仕組みになっているのがトレードなのです。
そのため、トレードの勉強を始める前に「まずは何よりメンタルコントロールが大事」ということを覚えておきましょう。
トレードに関連する人間の感情や心理の傾向は以下のようなものがあります。
- プロスペクト理論
- 認知バイアス:正常性バイアス、自信過剰バイアス、現状維持バイアス、アンカリング効果
- 同調効果
- 一貫性の原理
プロスペクト理論
不確実な状況での人間の意思決定に関する理論で、「人の判断は、不確実性がある判断のとき、条件や状況によって、合理的な価値判断ができない場合がある」ということです。
人間心理において以下2つの重要な性質があります。
- 損失回避性
- 参照点依存性
1:損失回避性
人は損をすることを以上に嫌うという性質です。
そのため、「儲けた時の満足感 < 損をした時の不快感」といった関係があり、この心理のために損失を拡大させてしまう現象が起こります。
損失が出ている時
損失を確定したくないという心理が働き以下のような行動にでて損失を拡大させてしまいます。
- 塩漬け:反発するような根拠もないのに損失が確定することを恐れて損切せず含み損をどんどん膨らませる
- ナンピン買い:価格が下落するたびに買い増しして平均コストを下げることで上がった時の儲けを期待する「賭け」に出る
利益が出ている時
「もっと上がるかもしれない」という期待感と「今売らないと下がって損をしまうかもしれない」という不安だと、不安のほうが強くなります。
そのため「小さな利益ですぐに利益確定する」という行動にでてしまい利益を伸ばすことができなくなります。
2:参照点依存性
絶対値ではなく、参照点からの変化によって判断をするという性質です。
本来は、現在の価格が価値に対して割高か、割安かを判断してトレードや投資を行うべきですが、自分が買った値段を基準に売るタイミングを判断してしまうという行動につながります。
認知バイアス
認知バイアスとは、これまでの経験や固定観念に従い合理的でない考え方をすることを意味します。
認知バイアスには多種多様な効果があり、トレードに影響するバイアスもあります。
- 正常性バイアス
- 自信過剰バイアス
- 現状維持バイアス
- アンカリング効果
正常性バイアス
現実を過小評価し、自分の認めたくない情報を無視することです。
価格が下がり含み損を抱えていても、価格が上昇しそうな情報だけを集めて『まだまだ大丈夫』と思い込んでしまい損失を拡大させることにつながります。
自信過剰バイアス
いわゆる「根拠のない自信」というやつです。
ビギナーズラックなどで利益を出した経験をしている人などは特に注意です。
成功体験が記憶に残り、「自分の判断なら大丈夫なはず」と思い込んでしまい、損失を拡大させてしまう可能性があります。
現状維持バイアス
リスクを避けて現状維持を選択するといった心理効果です。
トレードにおいては、含み損を抱えた銘柄を売って(損切りして)、他の有望な銘柄を買ったほうがいいとわかっているけれど、新たな投資銘柄が儲かるとは限らないので、とりあえず現状維持しようといった行動につながります。
アンカリング効果
最初に与えられた数字(アンカー)を基準に考えることで、その後の別の数字の認識まで変わってしまうという現象です。
トレードにおいては以下のような行動につながります。
- 最初にハイリスクの売買を経験してしまうと、その後の売買のリスクが相対的に低く見えてしまってリスクを正しく見積もれない
- 十分値上がりしても過去の高値を意識しすぎしまい「もっと上がるはず」と思い込んでしまう「高値覚え」につながり利確タイミングを逃す
同調効果
自分の意見や行動を他者に合わせることです。
しかし、トレードにおいて他者に合わせるということは、皆が買っている(値段が上がっている)時に買い、皆が売っている(値段が下がっている)時に売るということになるため、高い時に買って、安くなったら売るということになります。
トレードの基本は「安く買って高く売る」ですが、多くの人に合わせてトレードをすると損をすることになってしまいます。
一貫性の原理
自らの行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理です
価格が上がると思い買いでエントリーした場合は、エントリーした後のほうがエントリー前より価格が上がると信じるようになります。
特に事前の分析や情報収集に力を入れたりして苦労を掛けるほど思い込みが強くなる傾向があり、損切などができなっくなるリスクがあるので注意が必要です。
2:エントリーポイントを決める
トレードにおいてはエントリーポイントを決めるための準備が大切になります。
エントリーポイントの決め方
- 引き付けてからエントリーする
- 利確損切ポイントを決める
- 抵抗線とサポートラインを確認する
- 地固め(天井固め)の有無を確認する
- 値動きのスピードを確認する
- 前回高値(安値)を確認する
引き付けてからエントリーをする
トレードとは、現在の価格から値段がどちらに動くかを予想することではありません。
どちらに値動きするかは誰にもわからないからです。
一定の値動き傾向を示しやすいチャートパターンやプライスアクションを知っておき、値動きの傾向が表れた時に確立の高い方法でエントリーするということが大切です。
そのため、現在価格エントリーをするのではなく、値動きのサインが出そうな価格まで引き付けてからエントリーをするようにしましょう。
利確損切ポイントを決める
エントリーしてから利確、損切ポイントを決めるのではなく、利確損切ポイントを決めてからエントリーするようにしましょう。
また、利益と損切の幅が2:1になるような場面でエントリーするようにすると、大きな損失をしないで済むようになります。
抵抗線とサポートラインを確認する
抵抗線やサポートラインで価格が反転することは多いです。
そのため、エントリーポイントや、利確損切ポイントを決めるためにも、現在価格の近くの抵抗線やサポートラインをしっかり確認しましょう。
地固め(天井固め)の有無を確認する
抵抗線やサポートラインの中でも、その価格帯で売買が頻繁に行われ価格の地固め(天井固め)がされたラインは特に意識されやすいです。
そのため、価格の地固め(天井固め)状況についても確認しましょう。
値動きのスピードを確認する
強固な抵抗線やサポートラインがあっても、値動きのスピードによっては一気に貫通してしまうことがあります。
エントリーを検討する場合は値動きのスピードにも注意しましょう。
前回高値(安値)を確認する
チャートパターンやプライスアクションには「騙し」と呼ばれセオリーとは逆に値動きをする場合があります。
そのため、値動きの方向性については前回高値(安値)を超えるかどうかというのが一つのポイントになるため、前回高値(安値)を超えてからエントリーするようにすることで騙しを回避することができます。
エントリー時の注意点
- トレードの時間帯
- 経済指標の発表時間の確認
- 長時間足の動きの確認
- 他の通貨の動きの確認
- 先物やオプションの値動きの確認
トレードの時間帯
仮想通貨トレードは世界中で行われます。
そのため、米国や欧州など大手の地域がトレードを開始するだろう時間は値動きが激しくなる傾向があるので把握しておきましょう。
- アジア時間:9:00~21:00
- 欧州時間:16:00~翌4:00
- 米国時間:21:00~翌9:00
また、時間だけでなく曜日などでも値動きの傾向は変わります。休祝日より平日のほうが値動きが大きい傾向があるので意識しておきましょう。
経済指標の発表時間の確認
重要な経済指標が発表されると大きく値動きする可能性があります。
仮想通貨においては特に米国が中心となっており、米国の経済指標に大きく影響を受けるので、経済指標発表前後の値動きは激しくなる可能性があるので注意しましょう。
長時間足の動きの確認
人によって何分足でトレードをするかは変わると思いますが、必ず自分が見ている時間足より長い時間足も見て、値動きの傾向を見るようにしましょう。
基本的には、長い時間足での値動きのほうが強いからです。
例えば、日足では明確な下落トレンドなのに、15分足では買いでエントリーしても大きな利益は取りにくいですし、エントリーポイントの見極めなどは難しくなります。
他の通貨の値動き
大抵の仮想通貨はビットコインの値動きに連動しますので、少なくともビットコインの値動きはチェックするようにしましょう。
連動する場合は、取引額や時価総額の多いビットコインの値動きに引っ張られることが多いです。
また、状況によっては、NADSAQなどの米国株といったより取引ボリュームの大きい指数と連動することもありますので、トレードしている通貨より大きなマーケットを持っているものがあれば値動きなどはチェックするようにしましょう。
先物やオプションの値動きの確認
先物やオプションの値動きを見ることで、今後の値動きの方向が予測しやすくなります。
必ず一致するわけではないですが、参考にするようにしましょう。
エントリーでやってはいけないこと
エントリーする際に絶対にやってはいけないことがあります。
- インフルエンサーの意見を鵜呑みにする
- テクニカル指標を信用しすぎる
- 値動きがわからない時はエントリーしない
- 損切ラインを決めておかない
- ハイレバレッジで取引をする
- 感情に任せた取引をする
インフルエンサーの意見を鵜呑みにする
インフルエンサーに限った話ではないですが、一番やってはいけないことは、他人の意見を鵜呑みにし自分で考えないということです。
他人の意見に従ってトレードしていては、いつまでたっても勝てるようにはなりません。
また、利益や損失については誰も保証してくれません。
投資やトレードは自己責任です。必ず自分で考えてトレードしましょう。
テクニカル指標を信頼しすぎる
トレードではテクニカル指標を参考にすることがありますが、テクニカル指標はあくまで参考指標です。
テクニカル的には反転のサインが出たからといって必ず反転するわけではないので、テクニカル指標を信頼しすぎないように注意しましょう。
値動きがわからない時はエントリーしない
トレードにおいて大事なことの一つに、「自分の得意なチャートパターンが現れるまでエントリーしない」というのがあります。
機会損失を恐れてついついポジションを持ちたくなりますが、値動きがわからない時のエントリーはギャンブル以外での何物でもないので、エントリーしないようにしましょう。
損切ラインを決めておかない
損切ラインはエントリーしてから決めるのではなく、エントリー前には絶対に決めておきましょう。
ただでさえ心理的に損切というのは難しいのに、事前に明確に決めておかないと、ずるずる損失が拡大して塩漬け状態になってしまうリスクが上がります。
ハイレバレッジで取引をする
レバレッジにおいては、少額でも大きな利益が狙えるというポジティブな側面が注目されがちですが、大きな損失を負うリスクも高くなりますのでレバレッジ倍率の設定は慎重に行い、損失についても意識しつつレバレッジを設定するようにしましょう。
感情に任せたトレードをする
トレードに最も大事なのは「メンタルコントロール」と強調したように、感情に任せてトレードをするとかなりの確率で損をします。
トレードは以下に冷静に機械的にトレードできるかがポイントになりますので、平静でない場合はエントリーしないなど感情に任せたトレードをしないようにしましょう。